RAWからの現像でアンシャープマスクなしはあり得ない

↑DxO PhotoLab 3にてアンシャープマスクなしで現像

↑DxO PhotoLab 3にてアンシャープマスクを適切にかけて現像

できればPC画面で見ていただきたい。この大きさではそれほどの差は感じないかもしれないが、そもそもデジタルカメラで撮影したRAWデータを写真として成立させるために現像する際、アンシャープマスクをかけずに書き出すことは基本的にあり得ない。

なぜならば、レンズから入った光がCMOSセンサーへ届くまでに、「赤外線吸収/紫外線カットガラス」があり、「ローパスフィルター」があり「原色フィルター」がある。この中で特に「ローパスフィルター」があることで画像がややボケる。

中には「ローパスフィルター」のないデジタルカメラも存在するが、文字通りロー(低いという意味で低周波を意味する)をパス(透過)させるためのフィルターだ。つまり高周波を取り除くためのフィルターといえる。

目的はモアレや偽色を抑えるために、画像の細かな部分をボカしているのだ。

もちろん、ボカした部分は映像エンジンでシャープさを増して記録されるとしても、ボカす前とまったく同じシャープさになるかといえば、そうはいかないのが現実だろう。

そのボカされた部分をしっかり現像ソフトで補ってあげる必要がある。

元々の写真に対してのフィルム的感覚の「シャープさ」とは、ちょっと意味が違う。

ここをゴッチャにしないようにしたいし、元のRAW画像データが(元の写真が)シャープ感があるだろうからアンシャープマスクは要らない、というのは暴論でしかない。

あまり重箱の隅をつつくようなことは好きではないのだが、上のB787の写真のディテール部分を比較として掲載しよう。現像時にアンシャープマスクをかけていない(左)のと適切にかけたもの(右)だ。

もしアンシャープマスクが写真に対して弊害化するとすれば、この先のことだ。

この写真をA4でプリントするとしよう。例え現象時に適切なアンシャープマスクをかけて書き出したとしても、そのデータをそのままプリントしたら、プリントとしての必要かつ満足のいく解像感が得られるかといえば、答えはNO!だ。

またそれは、SNSなどウェブ上にアップする時も同様。

プリント用に、もしくはSNS用にリサイズしてAdobe Photoshop 2020でアンシャープマスクをぞれぞれに適量となる量をかける。

これらの流れを「写真データの最適化」という。

例えばこの段階で適量以上のアンシャープマスクをかけた場合、弊害が出てくる。

つまり、現象時にアンシャープマスクをかけるのと、そこから書き出されたTIFFなりPSDなりJPGにアンシャープマスクをかけるのとを明確に分けて考える必要がある。

現像時にRAWデータにアンシャープマスクをかけるのは作品をつくり出す上で前提条件だし、そこから先使用用途によって快適化するためにアンシャープマスクをかけるのは、同じアンシャープマスクと呼ばれるフィルターをかけるにしても意味合いが違う。

RAWデータの現像時にアンシャープマスクマスクをかけるのは必要不必要の話ではなく、前提の話だ。ここはしっかりと理解しておこう。

アンシャープマスクとはそもそも、画像内のぞれぞれのピクセル(画像の最小単位)の周囲にある、「異なる色情報」を持ったピクセルに対して、指定した量だけピクセルのコントラストを高めるフィルターのことだ。

この「異なる色情報」を持つピクセル、つまりANA機でいえばトリトンブルーと白の境目がわかりやすい。

この境目のピクセルのコントラストが高くなる。つまりエッジが立ってくる。線の差がハッキリとしてくるわけだ。

「肉盛りされる」なんていう表現をされることもあるようだが、10年前のソフトならいざ知らず、最近のソフトのアンシャープマスクは綺麗にエッジが際立つ。

さらにエッジ部分でないところへの悪影響など気になるほどのものではない。

よほど無茶苦茶な数値を入れない限り、アンシャープマスクをかけて写真レベルがマイナスになることなど、そうあるものではない。

ただし、「異なる色情報」にわざわざ「」をつけたのには訳がある。

私はA4に限らず現像して書き出した写真データをプリント用に最適化する際、色情報にはアンシャープマスクをかけていない。

明度情報にだけアンシャープマスクをかけている。こうすることで「トーン」「階調」だけにシャープ感を持たせて、色情報を崩さないようにしている。

これが何を意味しているか。それは多少なりとも色にアンシャープマスクをかけることに弊害が顕著に出た時代があったといえる(いまの時代にその弊害がすべてなくなったわけではないが)。それを避けるために10年以上前に教わった技術だが、いまもそれを実行しているのだ。

A4サイズぐらいなら色情報をガツンとアンシャープマスクをかけたものと、明度にだけかけたものの差はそうたいしたものではないかもしれないが、そこには一貫性のある考え方がある。

それは、現像ソフトで仕上げた写真、もしくはJPGFINEデータの写真。いずれにしても印刷、プリント、SNSなどのウェブへのアップロードへとそれぞれ最適化する際に、いかにできるだけ画質を落とさないかを重要視しているからだ。

RAWデータが優れているとか、JPG写真の方が潔いとか、その話は別次元であって、悪いものが良くなるわけもなく、良いものが良いもののままなわけでもない。

そこは確立されたワークフローに則って、ロスを限りなく少なくする。

ロスとは、画質の劣化のこと。せっかくの良い作品をできるだけ良い状態で見てもらいたいもの。

そのためにはこだわりや気配り、配慮が必要なのだ。

それは鮮度の良い魚を新鮮なうちに、適切な処置と調理法を用いて美味しく食べてもらいたい料理人と同じスタンスかもしれない。

ド本気講座では、撮影時における光の捉え方やホワイトバランスの考え方などの「撮影」に関してや、RAW現像やJPGデータのハンドリング、最適化やデジタル知識などをすべて「前提」としてしまい、ヒコーキと向き合うことに集中して楽しめる環境を作っていこうというのが大きなテーマだ。

そのためには、アンシャープマスクで悩む必要はない。これも「前提」の話の部類だ。

「RAWからの現像でアンシャープマスクなしはあり得ない」。

フィルム時代のピントバッチリな「シャープ感」とは別の話、つまり同列に語られる問題ではないことを良く覚えておいてほしい。

ただし、RAW+JPGで撮影している人は良くわかると思うが、JPGデータはシャープ感があり、色ノリもいい。

これは当たり前で、カメラメーカーが考える理想とする写真再現を瞬時におこなっているため、「ローパスフィルター」のボケも当然解消した上でさらにシャープネスを増して生成している。

撮りっぱなしJPGは最上位機種になればなるほど綺麗だ。これは正直、カメラの値段にほぼ比例しているようだし、さらに撮りっぱなしJPGを同メーカーのフラッグシップ同士で比較しても色再現やトーンなどが違う。

カメラや写真は奥が深い。だからこそ、「前提」にできるところは「前提」にしてしまう。

新しい技術、手段の変化、製品の品質向上があった場合は、この「前提」をアップグレードしていくだけだ。

ド本気講座ではこのあたりをしっかりと懇切丁寧に解説していく。

さらに、ご参加くださった方はメールやメッセージで質問し放題。

なんでも答えるよ。

宣伝で締めるのも良くないから、最後にもう一度。

「RAWからの現像でアンシャープマスクなしはあり得ない」。

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