本当のことを聞くべし

 デジタルカメラの話題も一眼レフカメラかミラーレスカメラかで一時期盛り上がっていたが、今や巷ではミラーレス全盛の時代になりつつある。新レンズもミラーレスカメラのマウントでのみラインナップが増えていって、きっと一眼レフカメラ用はそう簡単には出てこないだろうとは、カメラメーカーの動きを見ていれば容易に想像がつく。

 「単純に重量が軽くなったことで、年齢を重ねてきて直面する体力問題だけでいっても優位性を感じる」という声もあれば、「動くものは正直キツイよね」という本音とも取れる発言も良く耳にする。

 やや捻くれた見方をすれば、コンパクトデジタルカメラも一眼レフカメラも売れなくなってしまい、カメラ業界の活性化という意味でもカメラメーカーはミラーレスカメラに賭ける想いが強いだろう。

 ヒコーキ写真愛好家は一眼レフでもミラーレスでも、カメラの性能を比較するとき何を基準に考えているのだろう。

 「撮りっぱなしJPGが綺麗なこと」。「RAWデータがハンドリングしやすいこと」。「撮っていて気持ちが良いこと」。「つい手にしたくなる」。など様々かもしれない。

 どのカメラで撮ったとしても、自分のイメージ通りに仕上げる術を知っているか、全く知らないか。または、知ろうともしないか。

 良く聞くのは「土日に撮影したものを現像している暇なんてない」というセリフ。その通り、忙しい方も多いのも事実で、皆がみんな現像してイメージ通りに仕上げようという動機があるわけではないことも理解できる。また、撮影することに喜びを最大に感じる人もいれば、空港で集まって知り合いと顔を合わせることが楽しくて仕方ないという人もいる。

 何よりも「撮りっぱなしJPGでいかに作品として世に出すか」ということを心の支えにしている人もいるであろう。

 人それぞれの楽しみ方、ヒコーキ写真の愛し方があって良い。

 その中であっても、心のどこかに「もっとイメージ通りに写真を仕上げたい」。「少しでも綺麗に仕上げてみたい」。「もっとシャープに仕上げてみたい」。要するに写真に対して向上心がある人には、RAWデータでの現像から仕上げまでのノウハウが、その向上心を満たすポーションである場合もある。

 かなり気を遣って書いているのだが、「フィルム時代はフィルム特性を変えることはできず、現像に出して終わりだったのだから」デジタルカメラになっても、撮りっぱなしJPGで何もしないのが正解だ。という暴論と迷信には振り回されないように注意すべし、ということはハッキリと記しておこう。

 もちろん、それぞれの撮影ポリシーに関することだからどちらが正解でどちらかが不正解、というものではないし、撮りっぱなしJPGで自分が思い描くイメージが撮れていれば、それで良い。

 要は、結果がどうだったかが問題であって、撮りっぱなしJPGにこだわることでもなければ、RAWデータからの現像にこだわることでもないということ。

 写真は、結果。どういうプロセスを経ていようが、人の心に響き、心を打つ写真であるかどうか。

 このような根底部分にブレがない、というか基礎思考がしっかりとしている人は、一眼レフかミラーレスか、という話題にはそれほど飛びついてこないし、聞いてこない。カメラは単なる道具であり、目的ではないから。

 ド本気講座では、技術論だけだなく、このような写真に対する考え方、捉え方にもグイグイ食い込んでゆく。いろいろな考え方、捉え方があっていい。

 ただ、間違っていること。自らの伸びしろを削ぐような考え方は、しっかり指摘していく。

 今は、本当のことを言うことが、一番価値があると思うから。

 上がJPG撮りっぱなし。下がRAWデータからの現像後、Adobe Photoshop 2020でトーンなどを調整して仕上げたもの。人に観てもらうなら、このぐらいには仕上げたい。これを「盛る」だとか「オーバーコントロール」で括るほどくだらないものはない。それらは日本のヒコーキ写真文化の向上を妨げる思考回路だ。

 昨年のヒコーキ写真業界の流行語大賞といってもいい「オーバーコントロール」。特に「オーバーコントロール」な作品でもないのに「オーバーコントロール」を指摘されて思考が迷走してしまった悲劇さえ起きている。

 さらにいえば写真用語に「オーバーコントロール」というものは存在しない。要するに、現像時やその後のトーン調整の「やりすぎ」を指摘したいがために生み出された言葉であろう。

 どうも「見たまま」、「撮ったまま」信仰が根強くあるようだ。そもそもJPG撮りっぱなし=見たまま、そのまま、ではない。

 そう信じて疑わないならば、それを強くは否定しないが。考え方、捉え方は人ぞれぞれ、だから。

 本当のことをきちんと語れる人の声に耳を傾けよう。時間とお金には限りがある。それが深澤でなくてもいい。本当のことを語る人であれば。

 ド本気講座を受講した方が奇しくも口にした。「ド本気講座は、ド本音講座ですね」。

 ド本気講座が再開した暁には、そのド本音を体感せよ!!

「本当のことを聞くべし」への1件の返信

  1. 👏まさしく、自論様々だけど押しつけるものではないとおもいます。
    撮りっぱなしはつまらないとおもいます。
    RAW撮影を始めたいと思っている初心者マークですけど。

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